雪氷冷熱貯蔵庫で甘い勇知いも
稚内市勇知地区でジャガイモの生産、研究に取り組む「わっかない勇知いも研究会」が12月で、前身の研究会から発足10年を迎える。一時は出荷がゼロになった「勇知いも」を復活させ、自然の冷気を使った貯蔵庫で付加価値を高める手法も確立し、稚内ブランドにも選ばれた。現在は3戸のみだが「地域の恵みで稚内を盛り上げたい」と志を新たにしている。
 「勇知いも」は、勇知地区で栽培されているジャガイモの総称。研究会によると、入植当初から生産されてきたが、でんぷん価格の暴落や冷水害、酪農転換などで生産者が減り、1972年に出荷量がゼロになった。
 勇知地区は、年間を通じて冷涼で昼夜の気温差が大きく、年間降水量が少ない。また、海からの風が運んでくるミネラルを豊富に含んだ土壌がジャガイモ栽培に適しているから。
 昭和の始め稚内の特産品として「ノーザンスター」と呼ばれ、東京や大阪方面の一流ホテルや高級料亭で重宝された。