老舗コーヒーの味もう一度

 老舗「挽香」は1970年に駅前通りにオープン。夜行列車の到着に合わせ午前6時から営業するなど、地元客のみならず観光客にも親しまれた。2016年に店主の近江紘さんに喉頭がんが見つかり闘病の末、平成17年9月に亡くなり、店を閉じた。
 稚内では江戸時代後期、北方警備に当たった津軽藩士に幕府が栄養失調対策として、当時「薬」として珍重されていたコーヒーを配ったという逸話が残る。WCFはこうした歴史を発信しようと稚内北星学園大の学生らが始めたイベントで、今年4回目。例年20店舗以上の喫茶店が参加する。挽香も1回目から名を連ねており、実行委とのつながりも深かった。
 わっかないコーヒーフェスティバル(WCF)実行委員会は、老舗喫茶店「挽歌」のコーヒーを一日限りで復活させたもの。