宗谷岬の観光を考える

 稚内市は、宗谷岬を今以上に魅力ある観光地とするため「宗谷岬周辺魅力創出基本構想」を策定した。観光拠点となる施設の整備に加え、体験型観光や通年利用できる環境づくりを目指す。将来像のイメージ図をもとに、関係部署と協議を進める。
 3月に策定し、25日の市議会総務経済委員会で報告した。基本構想で定めた将来像のコンセプトは「行ってみたくなる日本のてっぺん、また来
たくなる宗谷岬」。基本方針として①観光拠点の整備②アクティビティなど周遊や滞在ができる環境づくり③通年で訪問できる環境づくり④地域住民の生活利便性や防災機能向上に配慮した施設整備―の4点を明記した。
 導入を目指す機能には、展望施設や飲食店、売店、オートキャンプ場やサウナなど滞在型の観光施設、住民向けのコミュニティー施設、宗谷丘陵やホタテの貝殻を敷き詰めた「白い道」にアクセスしやすい駐車場など11点を挙げた。
 市によると、周辺を訪れる観光客の割合は年々高くなる一方、約半数が滞在時間30分以下と短く、リピート率も低いことが課題だ。市は昨年度、近隣住民や事業者、観光客にアンケートを取ったほか、市民向けにワークショップを開き、宗谷岬の将来像についての意見を集めてきた。
 構想実現に向けたスケジュールや費用は未定。観光交流課の阿部徹課長は「課題もあると思うが、できるだけイメージに近づけたい」とした上で、「イメージを共有することで『こんなことができそう』と市民に考えてもらえたら」と期待する。
 道新ウェブより