周囲500mの弁天島に

 毎年10月~6月にロシア方面から南下してくるトドが晴れた日などに上陸して休憩しており、2017年には最大約6000頭が確認された。
 道立総合研究機構稚内水試は、島に2台の固定カメラを設置し、上陸数などを調査している。1台が経年劣化で壊れたため、同水試が昨年末行ったカメラの交換作業を行った。
 昨年12月26日、担当の後藤陽子主査と調査員2人の計3人が、漁業者の協力で、清浜漁港から磯舟でカメラ交換に出発。
 島に近づくにつれ、周辺に黒っぽいトドの頭が、いくつも見え始めた。波間から顔を出しながら口を大きく開けて「ウオー」「ブオー」とほえている。島の反対側へ回り込むと、6,700頭とみられる群れが波間から頭をのぞかせていた。船が近づいても逃げずに、どんどん集まってくる。後藤さんは「トドは好奇心旺盛。こちらに興味を持っているとの事。
 後藤さんら3人はカメラや機材を手に、島全体を見渡せる高さ約30メートルの岩のてっぺんまで登った。新しいカメラをボルトで固定して鉄のカバーで覆い、壊れていない方のカメラはバッテリーを交換した。調査員の1人は、トドの食べた物を調べるため、雪の中からフンを採取。30分ほどの島での作業中、トドたちは海から様子を眺めていた。 
  トドの一部は出生地や年齢、性別を判別するためにロシアの繁殖地で焼き印を押されたものもいる。印などから弁天島にいるトドの多くはロシア・サハリン州チュレニー島から来ており、0~2歳の幼獣も多いことが分かってきている。
 カメラ2台のうち1台は島全体を撮影する広角レンズ、もう1台はトドの個体を識別するための望遠レンズを付けている。日中、10分間に1枚ずつ静止画を撮影し、シーズン終わりにデータを回収する。同水試が最初にカメラを設置したのは06年度。12年度から宗谷岬にもカメラを2台設置し4台体制とした。
 どうしんウェブより

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