あれから10年

 あの日、続くと信じていた日常を巨大津波は奪い去った。1万8千人を超える死者・行方不明者を出し、戦後最悪の自然災害となった東日本大震災東京電力福島第1原子力発電所事故から11日で10年。住宅の再建、産業の再生は進んだ。インフラ復旧も終盤に入った。それでも今なお、原発事故で愛する故郷を追われるなどした約4万1千人が全国で避難生活を送る。厳しい現実と向き合う被災者にとって、10年は復興の節目ではなく、通過点にすぎないことを忘れてはならない。
 日本経済新聞より