大晦日

 今日は一年を締めくくる大晦日。そして新しい年を迎える日として、さまざまな風習が受け継がれている。長寿を願って食べる年越しそばよく知られている、使われる具材や意味もさまざまの様。また、最後の掃き掃除を行う日でもある。
 月の満ち欠けが基になっている旧暦では、各月の最終日を「晦日、三十日(みそか)」と呼んでいた。元々「晦」の字は「つごもり」と読まれ、月が隠れることを意味する「月ごもり」が転じたとされている。12月末日は、最後の晦日でその年を締めくくる重要な日であることから、「大」を付けて「大晦日」に。 昔は、日没から一日が始まると考えられてた。
 つまり、大晦日の夜にはすでに新年が始まっていたのだ。そのため、夜は新年の神様である年神様を待つ習わしがあり、“眠ってはいけない日”とも言われていた。大晦日にうっかり眠ってしまうと、シワや白髪が増えるなどの言い伝えもあるほど。  こうした風習が残る地域では、大晦日の夜からごちそうを用意して祝う習わしもある。「年取り魚」と呼ばれる魚を供えて焼いて食べるのもその一つ。魚は地域によって異なるが、サケやブリが代表的。 塩蔵により長期保存が可能だったこともあるが、祝いの席で食べる魚として込められた意味もある。サケは成長すると大きくなって戻ってくることから、ブリは成長とともに呼び名が変わる「出世魚」であることから、縁起物の年取り魚とされてきた。
 その他、大晦日に食べるものとして「年越しそば」が広く知られている。江戸時代中頃から庶民に広まった風習で、商いをしていた家が毎月末に食べていた「晦日そば」がそのまま大晦日に受け継がれたのが由来とも言われている。